学級崩壊の予防法!指導不足「だけじゃない」原因!担任の先生にできること/学級経営/対策/改善
どのクラスにも『学級崩壊』が起こる可能性はあります。
もし「私は学級崩壊にさせるわけがない」と思っている先生がいるとしたら、驕っているか、今まで運が良い&視野が狭くて、学級崩壊の危機に気が付いていないだけです。
先生の指導不足「だけじゃない」学級崩壊の原因について書いていきます。
学級崩壊は後手に回ると対応がとても難しいです。そのため、事前の対策が何よりも重要です。学級崩壊の予防法についても紹介します。
なぜ学級崩壊が起きる?
学級崩壊に陥ったクラスでは、子どもが先生のことを舐め、「担任の先生⇔子どもたち」という関係が壊れてしまいます。
- 指導に反発する
- 授業中の私語が常態化する
- 先生の人格を否定する言動を取る
担任の先生にとっても、厳しい状況です。
なぜ学級崩壊が起きるのでしょう。
そこには、子どもたちの心理も大きく関わっていると考えられます。
学級崩壊を起こす「子どもの心理」
学年が上がるにつれ、勉強嫌いな子どもが増えます。また、ルールに縛られることも嫌うようになります。
そんな子どもにとって、先生は「嫌なこと」を指導してくる存在です。どの子も、少なからず先生のことを煩わしく思っていると理解しましょう。
また、子どもたちは、思春期特有の「大人も実はたいしたことない。大人に反抗したい」という気持ちも芽生えています。
子どもの心理
- 勉強したくない
- 指導されたくない(自分勝手したい)
- 先生も実はたいしたことない
- 先生の言うことを何でも聞くのはダサい
子どもたちは、隙あらば「先生に反抗したい」「ルールに反抗したい」気持ちを抱えているのです。それは、どのクラスの子も同じです。
あとは、学級崩壊へ向かう「きっかけ」があるかないかで、学級崩壊が現実になります。子ども同士好き勝手できるという学級崩壊の状態は、子どもにとって楽な状態です。子どもは楽な方へ流れていきます。
学級崩壊が起きる原因
「先生に反抗したい」子どもはどのクラスにもいます。では、学級崩壊の「きっかけ」、原因は何でしょうか。以下が考えられます。
- 担任の先生の指導力不足
- 先生と子どもの相性
- 学級のメンバー構成
- 昨年度までの先生の指導
- 保護者の教育、協力
- 同僚の先生の協力(特に同学年の先生)
①担任の先生の指導力不足
- 授業が分かりにくい
- 指導の一貫性がない
- 子どもに甘い(舐められる態度)
など、子どもと信頼関係を築くことができていないと、学級崩壊に繋がります。
②先生と子どもの相性
優しい先生と「やんちゃな子」は相性が悪い、などが考えられます。優しい先生の丁寧な指導より、怖い先生の高圧的な指導の方が指導効果が高いこともあります。
担任の先生の力量不足とは言い切れない部分です。適材適所ができていない、学校運営の問題とも考えられます。
③学級のメンバー構成
「やんちゃな子」「いじめられっ子」「発達障害児」が多いなど、子どもの顔ぶれで、学級崩壊になるリスクは変わります。みんな良い子なら、先生の指導が悪くても、反抗して学級崩壊を招くことはしません。
発達障害児は、人数が増えるごとに指導の難しさが格段に増します。発達障害児同士でもめると、互いに「自分の非」を認められず、収拾がつかなくなります。トラブルが増え、学級の落ち着きがなくなり、崩壊へと進みます。
④昨年度までの先生の指導
「去年は○○してよかったのに!」など、子どもは昨年度までの指導と比べます。昨年の先生が自由すぎたばかりに、学級に普通のルールを設けただけで反発されることもありえます。
また、昨年の先生が怖くて何も言えなかったため、その反動で翌年に子どもが荒れることもあります。
⑤保護者の教育、協力
子どもが先生に不満を感じた時、家庭で保護者が「それは悪い先生だね!」と同調してしまえば、子どもは余計に調子に乗ります。「パパ、ママのお墨付き」をもらったら、ますます先生の言うことを聞かなくなります。
逆に、先生の指導をフォローしてくれる家庭が多いクラスでは学級崩壊になりません。
⑥同僚の先生の協力(とくに同学年)
担任と子どもの相性が悪くても、周りの先生の声掛けで、子どもが落ちつくことがあります。大変なクラスがあるとき、先生同士の協力があるかどうかで、学級崩壊の有無が変わります。
周り先生のアドバイスやフォローがあると、担任の先生も安心です。同学年の先生が「自分のクラスだけ上手くいけばいい」というスタンスだと、隣のクラスを羨んだ子どもたちが、ますます担任の指導を聞かなくなります。同学年でのフォローは必須です!助け合いましょう!
担任の先生以外の原因は、たくさん考えられます。「私は学級崩壊させない」と思っている先生は、今まで運が良かっただけです。子どもとの相性も、保護者の理解も、周りの先生の協力もあったからこそです。
自分の指導力以外にも、学級崩壊の原因があることを理解し、対策をしていきましょう!
学級崩壊の対策!予防が最優先!
日頃から(一番いいのは学級開きの時から!)学級を安定させる予防策を施すことが重要です。
①子どもとの信頼関係を優先
信頼関係があると、厳しく指導しても子どもに伝わります。
信頼関係がないと、正しい指導でも反発されます。
子どもたちは幼いので、「何を言われたか」より「だれに言われたか」が重要になります。子どもとの信頼関係を築くことを優先しましょう。
↓ 関連した過去記事です!
sensei-no-hatarakikata.hatenablog.com
②ルールは「早く」「厳しく」
学級のルール作りは「早く」することが肝心です。学級開きの際に、一年間のルールを伝えるといいでしょう。「早く」伝えておくことで、子どももスムーズに受け入れられます。後からルールを追加すると「今までは良かったのに何で!?」と、子どもに余計な反発心を生みます。
また、ルールの内容も「厳しく」から始めます。子どもの様子を見て、ルールを緩和していく方がよいです。緩いルールから厳しいルールに変えると反発心が生まれます。
朝三暮四のように、子どもの反応は変わります。結果的に同じルールを作るにしても、ルール作りは順序が大切です。
③個性に合わせた合理的な指導
公平・平等に指導しても、かえって「不公平だ」と不満の声が出ます。先生の言動の矛盾を見付けて、揚げ足を取られる危険があります。
むしろ、子どもの個性に合わせて、柔軟に指導を変えることを心掛けます。発達障害がある子には手厚くフォローをするし、しっかり者には細かい部分の指導もする。
「あなたには、ここまで成長してほしい」という気持ちを伝えれば、不公平な指導にも子どもは納得するはずです。
↓ こちらも過去記事があるので、ご覧ください!
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④いつもはポーカーフェイス
「先生は怒ってるのかな?」と子どもが気にすれば、自然と注目して話を聞くようになります。怒っていない時もポーカーフェイスで子どもに緊張感をもたせましょう。そこから笑顔を交えることで、笑顔の効果も倍増です!
反対にいつも笑顔でいると、子どもの緊張感がなくなります。「この先生なら何しても笑顔だ」と思われて、舐めた行動が増えます。
いつもはポーカーフェイスに保つことで、「もしかして先生怒ってる?」と子どもが自発的に静かになり、先生が実際に怒る回数を減らすことができます。「怒っているわけじゃないけど、悪事を見透かしてそうで、なんか怖い顔」という印象を子どもに与えましょう。喜怒哀楽を十分に感じさせられるように、ニュートラルの顔が重要です!
⑤隙を作らない
教室にゴミが落ちていると、子どもの行動も荒れます。『割れ窓理論』です。
朝の5分で教室のゴミを拾いましょう。子どもの登校を、一番きれいな状態の教室で迎えます。朝の貴重な時間ですが、学級崩壊を防ぐためなら惜しくないはずです。
また、退屈な時間が生まれると、子どもが落ち着かなくなる原因になります。時間が余った時の自習プリントや、学級レクを用意しておくと、学級崩壊の隙を防ぐことができます。
先生にできることを、先手先手で取り組みましょう!学級崩壊は後手に回ると地獄です。
まとめ
学級崩壊の原因
- 子どもの顔ぶれ
- 前担任の指導
- 家庭の教育
など、担任の先生の力では「どうしようもないこと」があります。
それでも、担任の先生に「できること」もあります!
- 子どもとの信頼関係
- 事前のルール作り
- 舐められない表情
- 隙をなくす準備
学級崩壊の対策は、先手必勝です。予防策に全力を!大変ですが、学級崩壊した後の指導より、何倍も楽で有益です。
学級経営で『黄金の3日間』の話をよく耳にしますが、最初の準備が肝心ということを、実際に学級崩壊を経験して痛感しました。初任で学級崩壊してショックでしたが、その後はバチバチに予防策をして安定した学級経営ができたので、経験が生かせたと思います。
今、学級崩壊をして辛い思いをされている先生方、学級崩壊の原因は、先生にはどうしようもないことがたくさんあります。自分を責めすぎることなく、周りの先生の協力を仰ぎながら、のらりくらりと過ごしていければ最高だと思います。変に「立て直す!」と意気込んでも無理な場合もあります。次年度以降に生かしていきましょう。
小学校の話ですが、「中学年で多少荒れてくれると、高学年で荒れないから助かるよ!」と仰る先生がいました。子どもはどこかで発散したい気持ちがあるのは事実だと思います。自分のクラスが学級崩壊してしまったとしても「時限爆弾のようなものだった」と割り切るのも手です。
先生に「できること」だけ頑張って、あとは責任を背負いすぎずにいきましょう!
↓ 私も参考にしていた本です!おもしろいです!(^^)
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