「分かる授業」vs「楽しい学級」優先は?学級経営で大切なこと/小学校/若手教員/指導アイデア
学級経営において大切なこととは?!
先生方には「ここは頑張りたい!」という学級経営の柱があると思います。
「分かりやすい授業」や「皆が楽しい学級」は、その代表格であり、どちらを優先すべきかというのは、学級経営の永遠のテーマと言えます。
今回は「分かる授業」vs「楽しい学級」として、どちらを優先して学級経営をすべきか、小学校教諭の経験をもとに考えます。
「分かる授業」の大切さ
子どもは何をするために学校に来ているか。「学ぶために」です。
学校生活の大部分を占める授業が「分かりにくい」「つまらない」ものだったら、学校生活そのものが苦しい時間になってしまいます。
反対に、授業が「分かりやすく」「おもしろい」ものだったら、学校生活全体が楽しい時間になります。授業が分かりやすく、学習が定着すれば、自分に自信をもつこともできます。
そして、学習意欲や学力の向上は、子どもたちの生涯にわたって有益なものになるでしょう。
義務教育として、基礎学力を定着させ、生涯にわたって学習する素地を養う。そのため、「分かる授業」に力を注ぐことは非常に大切です。
「楽しい学級」の大切さ
学級が楽しいものであれば、子どもたちは学校に来るのが楽しみになります。勉強が苦手だろうと、人と話すのが苦手だろうと、学級での生活が楽しければ、子どもの笑顔は増えます。
「楽しい」学級を築くことができれば、子どもたちは所属感を十分に感じ、安心して登校することができます。何事においても頑張ろうという前向きな気持ちが生まれます。学級のよい雰囲気は、子どもたち一人一人を成長させてくれるでしょう。
また、先生のことも好きになり、指導をしっかり聞くようになります。
「楽しい」学級を築き、学校生活の基盤を安定させることは非常に大切です。
「授業」優先の経験談
「分かる授業」と「楽しい学級」どちらも大切であることは異論がないと思います。
ここからは私の経験談になりますが、私は「分かる授業」を優先して学級経営を行いました。その理由は、
- どの子にも、しっかりと学力を身につけさせたい。
- 「分かった」という経験を積ませ、自信をもたせたい。
- 授業力の向上は、来年度以降にも生かせる。
などです。
子どものため、自分の力量向上のため、授業準備に励みました。
ところが・・・
「分かる授業」の失敗談
結果として、「分かる授業」優先の学級経営は上手くいきませんでした。
その課題として以下が挙げられます。
- 授業を通して、子どもと信頼関係を築くことが難しかった。
- 授業態度が悪く、授業妨害する子がいた。
- 授業妨害で授業が乱れ、結局どの子にも「分かりにくい授業」になった。
「授業は頑張るぞ」という教員の思いは通じず、子どもにとって「授業は退屈な物」と捉えられていました。問題を抱えた子が多い学級だったこともあり、授業を妨害されることもありました。
その結果、真面目に頑張ろうとする子も「周りがうるさい」「グループワークで迷惑をうける」など、授業に集中できない環境になってしまいました。
子どもに授業を聞く態度を指導できていないと、懸命に授業準備をしても無駄になってしまいます。「分かる授業」「面白い授業」以上に「静かに学ばせる授業」を、まずは身につけなければならないと痛感しました。
その後、「分かる授業」優先の失敗から、私自身は「楽しい学級」「落ち着いた学級」作りにシフトし、比較的安定した学級経営をすることができました。子どもが授業を聞くことができるようになってから、「分かる授業」を目指していきました。
まとめ
- その他の指導がおろそかだと「分かる授業」は無駄になり得る
- 学級が安定していれば「つまらない授業」だろうと子どもは聞く
- 「楽しい学級」「落ち着いた学級」などで、子どもの信頼を得ることが優先
初任や若手の先生は、まず「楽しい学級」「落ち着いた学級」作りを目指すといいと思います。
「授業を頑張りたい」という気持ちは素晴らしいですが、「分かる授業」を優先して、その他の指導がおろそかになってしまえば、せっかくの授業準備も無駄になってしまう可能性があります。子どもも先生もやる気をなくしてしまいます。
子どもが安心して過ごせる学級を築ければ、子どもは先生の話を聞くようになります。「分かる授業」はそれからでいいのかなと思います。
余談として、授業展開で
- 代表の子に、黒板の前で実験させる
- 一人一人に、自分の机で実験させる
を悩んだこともあります。
2の展開が、自分で実験して楽しいし、理解が促せると考えましたが、失敗しました。個別指導が必要で時間が掛かり、他事をする子が出たためです。また、自分の実験で上手くいかない子は、「自信」「やる気」をなくしてしまいます。
そのため、1の展開で、全体の注目をひとつに集め、一斉に指導した方が理解は深まっただろうと反省しました。「楽しさ」はないと思いますが・・・。
学級の実態に合わせて、「面白みのない授業」をした方が、子どもの定着がよい場合もあります。
でも、「分かる授業」の大切さは、特に感じていることなので、是非みなさんには、「楽しい学級」と「分かる授業」を両立できる素敵な先生になっていただきたいと願っています。
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