公務員試験の情報と対策!『市役所の"縁故採用"』『ハロワ活用術』について!
地方公務員、市役所職員の採用において、縁故採用(コネ採用)はあるのか。
特に"故郷以外の"自治体を受験する方が気になることだと思います。
今回は、『市役所の縁故採用』の実態と、公務員試験対策として絶対お得な『ハローワーク活用術』について書いていきます!
- 市役所の縁故採用はあるのか
- 2つの自治体の合否から分かったこと
- 面接官は何を考え、誰を採用するか
- 地元の若手を採用したい、自治体の考え
- "縁故採用あり"の理由まとめ
- 余談①「縁故採用の見分け方」
- 余談②「ハローワーク活用術!」
- 余談③「面接官の年齢」
市役所の縁故採用はあるのか
地方公務員、市役所職員の採用試験において、縁故採用はあるのでしょうか。
- 地元出身の受験者が優遇される
- 親族が市役所で働いている受験者が有利
- そもそも合格者が決まっている
このような縁故採用をしている自治体に受験しても、合格を勝ち取ることは難しいでしょう。
公務員試験自体は、受験者の出身地や年齢に関わらず、能力が高い人を採用するという方式になっています。(受験資格がある範囲で。)
つまり、A市の受験資格が「大学卒程度、28歳以下」であるとき、
- A市出身の大学4年生(22歳)
- これまでA市に所縁の無い民間経験者(28歳)は、
本来、試験結果のみによって、公平に合否を判断されることになります。
・・・とはいえ、特に面接試験においては、様々な要因が関係すると思います。
縁故採用に限らず、面接試験では
- 学歴がいい人
- 容姿がいい人
- 面接官と相性のいい人
など、受験者の試験結果"以上"の要因が働き、合否が決まることでしょう。
高学歴、好感が持てる容姿、面接官と打ち解けるコミュニケーション能力など、受験者の魅力であることに変わりはないですからね。
このような不確定要素が入る余地のある面接試験において、縁故採用もあり得るのか。
私の見解としては、縁故採用は"ある"です。
2つの自治体の合否から分かったこと
私は、α市の教員を退職した後、故郷のα市役所と、近隣のβ市役所の採用試験を受験しました。
公務員試験体験記について過去記事がありますので、よろしければご覧ください。
sensei-no-hatarakikata.hatenablog.com
試験日程としては、α市の方が早く、β市の方が1カ月ほど遅い日程でした。
そのため、β市の試験に狙いを定め、α市の試験はβ市の練習のつもりで受験しました。筆記試験の出来もβ市の方が良く、面接においても、β市の取り組みについて綿密に調べて臨み、「なぜβ市を受験するか」も試験で伝えることができました。
しかし、結果としては、準備不足だったα市に合格し、綿密に準備して臨んだβ市に不合格という結果でした。
正直、α市に合格できたなら、β市にも合格できると思っていました。β市の方が、筆記試験も面接試験も十分な対策をして、本番に力を発揮できたからです。
また、β市の筆記試験では、試験終了時刻より前に退出する受験者が続出し、「みんなそんな余裕あるの?それとも諦めたの?」と困惑しました。必死に試験に臨んだ私は、点数でも熱意でも、他の受験者に劣るわけがないと思ったのです。
面接試験でもβ市への熱意を伝え、なかなかの手ごたえを感じたのにも関わらず、β市に不合格だった理由。一方で、準備不足で手ごたえもイマイチなα市に合格できた理由。それらを考えると、理由はひとつしか思いつきませんでした。
受験する自治体に、所縁があるかどうか。
- α市出身で、α市で教員としても勤めていたという経験から、α市は合格した
- β市出身でなく、β市と所縁もなかったため、βは不合格だった
仮に、合格ラインが80点だとして、100点満点の受験者は無事に合格できると思います。しかし、合格ラインに近い受験者ほど、「その自治体の出身者か」「通学、通勤歴はあるか」という部分が合否に響くのではないでしょうか。
ここまでは、私の体験をもとに語ったことです。
今度は、面接官の立場で採用試験を考えて、"縁故採用"を判断していきたいと思います。
面接官は何を考え、誰を採用するか
地方自治体、市役所の採用試験では、面接官は何を考えているのでしょうか。
自治体の職員として、住民と関わる機会が多いため、住民に寄り添える人を求めると思います。住民と同じ目線で考え、住民のために働くことができるかは、「その自治体で生まれ育った」という事実が大きな強みになるはずです。
また、「長く働いてほしい」という思いは、採用担当者なら誰でも気にするポイントです。「もともと、その自治体に住んでいた」というのは大きなアドバンテージになります。
自治体に所縁のない受験者に対しては、
という観点で、面接官は悩むと思います。不安要素は面接試験で質問すると思いますが、地元の受験者に合格を出す方が、無難で安心だと感じるでしょう。
また、公務員試験では、辞退者を見越して合格者を多くしておくという採用方法は難しいです。
特に、小さな自治体だと「採用人数が3人」という場合もあります。その貴重な3人の枠に、辞退者が出てしまっては大変です。合格したら絶対に採用を辞退しない受験者を優先するのではないでしょうか。そこで、自治体出身者であれば辞退しにくいだろうという採用判断になるのは自然な流れだと思います。
地元の若手を採用したい、自治体の考え
上記以外にも、その自治体出身の受験者(特に新卒の大学生)を採用したい、自治体の考え方が推測できます。
それは、自治体の雇用の問題です。
私(α市出身)のβ市受験を例にすると、
- 私(α市出身)、教員免許あり
- 大学4年生(β市出身)、未だ内定なし
という2者から、β市の採用を決めると仮定します。
私は、教員として働くための資格や経験があり、β市に採用されなくても何とかなるでしょう。
しかし、β市出身の大学4年生が、公務員試験一本に絞っていて、未だ内定ももらっていなかった場合、β市に採用されないと就職浪人になってしまうかもしれません。また、β市から他の自治体の就職先に行ってしまい、β市の労働力が失われることも考えられます。
これらを考えると、β市にとっては、β市の若者を採用することで、β市の雇用問題を未然に防ぎ、労働力の流出も抑えることができるのです。
他の自治体出身の受験者は、合格しても辞退するかもしれないというリスクもあり、不合格を出しても悪影響がないことから、自治体の出身者よりも不合格にしやすい人材だと思います。(逆に、地元の受験生を不合格にするのはデメリットが大きい)
α市出身の私がβ市に採用されれば、β市の人口や労働力も増えるし、他の自治体の考え方が導入できてメリットがある!と思って臨んだ受験でしたが、β市にとっては、α市出身者に合格を出し、β市出身者を不合格にすることのデメリットの方が大きかったんだろうなと思います。無難にβ市出身者に合格を出すメリットは明確ですからね。。。
"縁故採用あり"の理由まとめ
自治体出身者が優遇される”縁故採用”になり得る、面接官側の考え方です
面接官の立場で考えると、明確に「縁故採用しよう」という意図がなくても、ついつい地元の受験者を優先的に採用してしまう仕組みが見えてきます。所縁のない自治体の受験を検討される方は、自分が地元出身者よりも採用されにくいという事実を受け入れたうえで、試験に臨んでください。
公務員試験は皆平等!というのが建前ですが、本音では「地元出身の若者がいい」と、自治体は思っているのです。
余談①「縁故採用の見分け方」
自治体が「縁故採用をしている可能性」を見分ける方法があります。
ズバリ、受験資格の『年齢』です。
- 「30歳ぐらいまでOK」 ⇒ 能力が高い人材を求めている
- 「年齢の条件が厳しい」 ⇒ 能力”以外”の要素を重視している
年齢の幅が広いほど受験の倍率が高くなり、優秀な人材が集まる可能性が高くなるでしょう。受験資格の年齢が高いほど、貪欲に、優秀な人材を求めている自治体です。
しかし、年齢の条件が厳しい自治体は、能力の高さ"以外"に優先して「求めていること」があると考えられます。それが、縁故採用に繋がると考えられます。
「若い人材を取りたい」という意図が明確な自治体では、既卒の転職者が新卒者と同等に扱ってもらえるとは考えにくいです。
余談②「ハローワーク活用術!」
公務員試験の対策では、ハローワークが大いに役立ちます!
私は市役所職員の友達に教えてもらい、公務員試験の面接試験対策を、ハローワークで指導してもらいました。
このような手順を踏みました。
「なぜ、その自治体を希望するのか」「職員に採用されたら何をしたいか」といった定番の質問から、部屋の入室退室の仕方、面接時の振る舞いなど、基礎的なことをしっかりと教えてくれるので、試験本番に安心して臨むことができます。
多くの受験生を指導してきたハローワークの職員さんに指導してもらえるのは非常に勉強になりますし、実戦形式で練習してこそ、学べることがあると思います。
しかも、無料で指導してもらえるので、絶対におすすめです!
私は、特に"教員から転職"という立場で面接指導してもらったのですが、そこで、ハッとさせられた質問があります。
『以前の職場の人は、あなたが転職することに、どのような反応でしたか』
私は、
- 教員の大変さを分かち合っていたため、納得してくれた
- 応援してくれた
というように答えました。しかし、「面接官はそんなことを知りたいんじゃない」と指導を受けました。
『職場を去ることを、惜しんでくれたかどうか』
それを判断したいんだ、という面接官側の意図について指導してもらいました。
「一生懸命頑張っていたから、いなくなると困る、さびしい。」
そのような、引き留めがあったけど、最後は転職を応援してくれた。
このように面接で話すことで「この受験者は以前の職場で良好な人間関係を築き、仕事の能力も認められていた」ということを伝えることができます。自分の思いを伝えるだけでなく、面接官が何を知りたいかを把握して、伝え方を工夫することの大切さを学びました。
自分では思いもよらなかった考え方を指導してもらえることもあります。ハローワークも有効に活用して、面接指導の専門家の意見を参考にしてみてください!
余談③「面接官の年齢」
私が受験した、α市とβ市の面接試験では、面接官の年齢がかなり違いました。
- α市 ⇒ 面接官3人、年齢が30台、40代、50代とバラつきが見られた
- β市 ⇒ 面接官6人、年齢が全員50代以上(副市長、人事部長など、○○長という肩書がある人が面接官を務めていた)
α市では、若い面接官がいて、「直属の部下として、一緒に働きたいか」という視点で採用判断をされていたと思います。
β市では、年配の「○○長」たちが、長年の経験を通して、人材を判断していたと思います。
私は、どちらの面接でも「ライフワークバランスを大切にしたい」という主張を話しました。
私と年齢が近いα市の面接官には「そうだよな」と受け入れてもらえたかもしれません。
私と年齢が離れているβ市の面接官には「若手は働くべし。家族より市民を優先すべし」という理念があり、ライフワークバランスは優先すべきでないと思われたかもしれません。
それだけで合否が分けられるとは思いませんが、面接官の年齢や立場を考えて発言することで、合格に近づくことができると思います。
若い面接官には、「かわいい後輩になりそうだ。一緒に働きたい」と思ってもらえたら採用されやすく、年配の面接官には「若いころの自分と考え方が似ている。市のために一生懸命働いてくれそうだ」と思ってもらうことで採用されやすくなると思います。
面接対策で、自分の主張が固まった後は、
- 面接官は何を求めているか
- 面接官の年齢や立場に合わせた攻略ポイント
このようなことにも考えが及ぶと、合格はぐっと近づくと思います!
面接官も人です。面接官の心情も上手につかんで、合格を勝ち取ってください!
面接試験対策の過去記事です!