学級経営における『合理的配慮』とは?差別&贔屓と言わせない実践方法!小学校/発達障害/具体例
学級には、発達障害がある子や、やんちゃな子、不登校気味な子など、様々な問題を抱えた子がいます。その中で「皆平等」な指導は不可能と言っていいでしょう。
特別な指導が必要な子へは『合理的な配慮』を意識して、学級経営に生かしましょう!周りの子に「差別だ」と言わせない実践方法を紹介します!
合理的配慮とは
合理的な配慮とは何でしょう。以下引用が文科省の紹介している事例です。
例えば、児童生徒・保護者の希望に応じて、聴覚過敏の子供のために教室の机・椅子の脚に緩衝材を付けて雑音を軽減する、視覚情報の処理が苦手な子供のために黒板周りの掲示物を減らすなども、合理的配慮になり得ます。
つまり、周りと同じ指導では困難がある子のために、必要な支援を施すことと捉えることができます。
合理的配慮によって、様々な特性がある子たちが、よりよい学校生活を送ることができます。
合理的配慮の注意点
合理的配慮が必要な子どもとして、主に障害のある子どもが挙げられていました。しかし、学習意欲がない、いじめっ子、不登校気味など、通常の指導では困難な子は障害の有無に限定されません。配慮が必要な子どもは多岐にわたるのです。
多様な子どもたちを指導するには、「みんな平等の指導」なんて理想は通用しません。障害の有無に限らず、個々の特性に合わせた配慮をして指導したい所です。
ところが、個々に配慮をした指導をして厄介なのが
「先生が贔屓している」
という周りの子どもの反応。子どもは「平等・差別」に敏感なので、不満を言う子がいるかもしれません。
そんな子どもの声を鎮め、学級経営に欠かせない『合理的配慮』を実践する指導方法を紹介します!
合理的配慮の実践方法
合理的配慮の具体例として考えられるものです。
- 学習意欲のない子
⇒ 授業中の個別指導を増やす。全体での発言機会を確保する。
- いじめっ子
⇒ 友達に優しい行動を大げさに褒める。いじめ以外の悪さを見逃す。
- 不登校気味の子
⇒ 授業に集中できていなくても、学校に来ていればよしとする。
真面目に生活している子からすると、「なんでそんなことが許されるの!」と思うかもしれません。
「いじめっ子」が少し良いことをすると、大げさに褒められる
というのは、私自身も大嫌いなことです。いつも良い子の方が何倍も偉い!しかし、「いじめっ子」の心の闇を鎮めるためには、必要な配慮であると思います。大げさに褒め、気分が良くなっていじめが減れば、指導は成功です。
このような指導は、「差別・贔屓」と言われて当然です。しかし、学級経営をしていく上では欠かせません。配慮して指導しなければ、いじめっ子のストレスが溜まり、余計に周りの子を傷つけるでしょう。
合理的配慮は学級経営に必要不可欠です。合理的配慮とは「贔屓・差別」の指導です。
学級経営には「贔屓・差別」の指導が必要という自覚をもちましょう。あとは、周りの子どもたちを納得させるだけです。
周りの子を納得させる声掛け
「先生は贔屓していないよ」
なんて嘘は意味がありません。基本的には、
「○○さんには、こうやって指導するといいと思っている」
と正直に伝えましょう。「いじめっ子だから」とは言わなくていいです。周りの子も、なぜ先生が指導の仕方を変えるのかは理解できると思います。
それでも、「○○さんにだけズルい」という子どもを黙らせる必殺のセリフが
「君は厳しくしても『できる人』だと先生は思っているんだけど」
です。周りの子の頑張りを認めてあげることで、自分は先生から信頼されているというメッセージを伝えましょう。合理的配慮をされていないことを誇りに思い、不満を言うことはなくなるでしょう。
「○○さんは、先生から信頼されていないんだ~!」と言ってしまうような子には伝え方に注意しましょう。それが○○さん本人に伝わるのは良くはありません。ただ、○○さんが文句を言ってきたときは「信頼されるような行動をしてみなさい」と指導することもできるので大丈夫です。
「君を信頼している」というメッセージを送ったのにも関わらず、「贔屓だ~」と言ってくる子には最後の手段です。
「君も○○さんと同じようにしてほしいのかな。その代わり、通知表は厳しくなるよ」
実際、合理的配慮に該当する子の通知表は厳しめです。学習意欲が低い子が授業中に発言したら大げさに褒めますが、通知表の成績は、普段の行いから△のはずです。通知表を良くしてしまったら、それこそ、ただの贔屓になってしまいます。
合理的配慮がズルいと言う子には、「同じように優しい指導をするなら、君も成績は諦めてね」とやんわり伝えれば、それ以上文句を言うことはないでしょう。
そのためにも、『通知表では平等に厳しく』というのは、合理的配慮と履き違えてならない、大切なポイントだと思います。
まとめ
- 合理的配慮とは、学級経営に必要不可欠な「贔屓・差別」だと自覚する
- 周りの子へは、信頼のもと、厳しい指導をしていることを伝える
- 通知表では、合理的配慮に関係なく平等に!
「差別になるような指導はしない」では、学級経営は成り立ちません。個々に合わせた指導と、周りへの上手な声掛けを心掛けて、合理的配慮を学級経営に生かしていってください!
↓学級経営に使えるセリフで面白いです!