先生の当たりハズレ!自分に都合が「いい先生」はNG!【教員ブラック/保護者/子育て】
先生の『当たりハズレ』の問題。
実際に「この先生は素敵だな」など、感じることはあると思います。
でも、先生の当たりハズレばかり気にするのはNG!その理由について書いていきます。これを読めば、ハズレ先生への見方も変わるはず!
当たり先生とは
当たり先生とはどんな先生でしょう。
- 学級経営に熱心
- 子ども一人一人へ個別指導が手厚い
- 子どもや保護者から人気がある
子どものためなら時間を惜しまず、丁寧に指導してくれる。保護者が困ったときは、いつでも相談に乗ってくれる。そんな先生を「当たり先生」だと思うのではないでしょうか。
学校行事などでは、先生自身の子より、担任のクラスを優先してくれるぐらい熱意がある先生だと、子どもも保護者も嬉しいですよね。
ハズレ先生とは
熱意にあふれた「当たり先生」と比べて、「ハズレ先生」とはどのような先生でしょうか。
- 学級経営がシンプルすぎる
- 定時に退校してしまい、連絡が取れない
- 子ども一人一人の個別指導が少ない
- 先生自身の子を優先して、学校行事に不在なことがある
このような先生が担任になったときには、「ハズレだ」と思ってしまうかもしれません。
「当たり先生」と比較して、「もっと仕事をしてほしい」「もっと担任の子ども一人一人を見てほしい」と不満に感じてしまうことでしょう。
ですが、この「はずれ先生」こそが、本来『スタンダード』なのです!
ハズレ先生がスタンダードな理由
①学級経営がシンプル過ぎる
「隣のクラスの先生は、学級レクを企画してくれるのに」
など、学級経営がシンプル過ぎると、「ハズレ先生だ」と感じてしまいますが、それがスタンダードです。学級で授業を行い、子どもたちを指導することが担任の先生のスタンダードの仕事です。それ以上を求めることは、先生たちに追加サービスを求めていることになります。追加サービスを求めるなら、本来、追加料金が発生します。現状、追加料金を払っていないはずなので、無償で求めすぎてはいけません。
②定時退校してしまい、連絡が取れない
勤務時間を過ぎたら定時退校することも、スタンダードです。まして、教員は残業代がありません。皆さんも、賃金がもらえないのに、職場に残って仕事をしようと思わないはずです。サービス残業を強要されている先生たちが可哀そうなだけで、定時退校する先生が「ハズレ」ではありません。
③子ども一人一人への個別指導が少ない
教員は、1クラスに30人もの子どもたちを相手にしています。全体指導で手いっぱいで、個別指導が行き届いていなくても「ハズレ」とは言えません。1人の子どもだけを指導することと比べたら、その30分の1しか個別指導がないことがスタンダードです。親が子どもへ100の愛情を注いだ場合、一人っ子は100受け取れても、兄弟がいる子は50ずつの愛情になるのと同じです。
個別指導がなくても、全体指導の中で理解できるように、家庭でもフォローしていただくことがスタンダードではないでしょうか。
たまに、「1日5分でいいから個別に声を掛けて」という保護者がいます。その願いは、クラス全員30人で考えると、5分×30人で150分です。2時間半も個別指導の時間があるでしょうか。
『自分の子どもだけ』という不公平な考え方はせず、学級全体の視点で考えると、個別指導が少なくてもスタンダードだと分かります。
④先生自身の子を優先して、学校行事に不在なことがある
親が有休休暇を使って、子どもの学校行事に出席することはスタンダードです。保護者の方もそのようにして学校行事に参加するのではないでしょうか。
寧ろ、いつでも担任の子を優先してくれる「当たり先生」の子どもは、「親が学校行事に来てくれない」という悲しい事実があります。一人の人間として、どちらが「当たり」「ハズレ」なのでしょうか。
自分に都合が「いい先生」を求めていないか。視野を広げて、先生たちを見ていただければ嬉しく思います。
まとめ
先生は教員という仕事をしています。ボランティアではありません。
膨大な業務を抱え、過労死ラインを超える長時間サービス残業があふれた職場環境です。
「我が子のために、もっと指導してほしい」「もっともっと…!」
と思ってしまうのは、人として素直な欲求ですが、理性で抑えてください。先生たちに給料以上の業務を願うなら、追加料金を支払うのが当然ですし、先生たちも残業代をもらえるのが当然です。でも、現状、保護者側の追加料金も、教員への残業代も発生していません。
「当たり」「ハズレ」を、自分に都合が「いい先生」という見方だけで考えるのはNGです。無償で長時間働いてくれる「いい先生」が担任だと「当たり先生!」と思ってしまいますが、「当たり」でなくても、「スタンダード」です。(「当たり先生」以外を安易に「ハズレ先生」と言ってしまう保護者こそ、「ハズレ保護者」で間違いありませんよね)
どの先生も、スタンダードな頑張りを十分にしていることを理解して頂けたら嬉しいです。学校や先生へのご理解とご協力の程、よろしくお願いします。
↓ もう少しあります。
無償で頑張ってしまう「当たり先生」がいるから、勤務時間内に収める働き方の先生が「ハズレ先生」と呼ばれてしまいます。子どもや保護者が、長時間働いてくれる「当たり先生」を求めるのは当然です。
しかし、子どもや保護者から見れば「当たり先生」はすばらしい先生ですが、「当たり先生」の家族から見たらどうでしょうか――。家族団らんの時間を削って仕事をし、我が子より担任の子を優先し、挙句に働いた分の給料も貰ってこない。「当たり先生」は自分の家族を犠牲にしているのです。
でも、悪いのは「当たり先生」ではありません。悪いのは、ブラック過ぎる教員の労働環境です。
- 勤務時間内に収まる業務量にする
- 残業させるなら適切な残業代を払う
これらの普通のことを守るだけで、どの教員も救われます。
業務を頑張る「当たり先生」が多くの給料をもらっていれば、定時に帰る先生たちも後ろめたい気持ちになりません。給料が変わらない先生同士で、「当たり」「ハズレ」と言われるから辛いのです。
また、保護者も、教員に追加サービスを求めるなら追加料金を払うことにすればよいと思います。追加料金を意識すれば、スタンダードな学級経営に不満を持つ家庭は少なくなるでしょう。「サービスを求めれば、追加料金が必要」という普通のことを意識していないから「求めすぎ」になってしまうのです。
一生懸命頑張る先生が適切な給料を得られるように、都合よく「いい先生」を求められないように、教員の働き方が改善されることを願っています。