先生の働き方改革!新卒~若手ブラック教員生活【時短アイデア&転職体験記】

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『学級じまい』の方法!成長を願うなら思い出づくりはNG!小学校/学級経営

1年間過ごしてきたクラスの子どもたち。彼らとも”お別れの日”がやってきます。

 

最高の一年間を締めくくる、『思い出に残る学級じまい』をしたい!

 

そう考える先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、私は、学級じまいの仕方に警鐘を鳴らしたいと思います。

子どもたちの成長を願うなら、どんな学級じまいをするとよいのか。学級の終わらせ方について考えていきます!

 

思い出づくり「学級じまい」の”後に”あるもの

一年間、苦楽をともにしてきた子どもたち。最初はバラバラだった学級も、結束力が高まってきた。

そんな愛すべきクラスの子どもたちのために、担任として、思い出に残る学級じまいをしてあげたい。この子たちの担任として指導できるのは、これが最後になるのだから――。

 

こうして、担任の先生の頑張りもあって、クラスは思い出に残る学級じまいをできたとします。

「5年〇組最高だったね!」「○○先生ありがとう~!」「○○先生もクラスのみんなも大好き!!」

笑顔と感動につつまれる子どもたち。それを見た先生は、一年の苦労と子どもたちの成長を振り返り、『教師冥利につきる』瞬間を味わうことになるでしょう。

 

・・・まさにハッピーエンドという感じですが・・・。

さて、このような学級じまいを遂げたには、どのような状況になるでしょうか。

 

進級後の悪影響について!

4月になりました。新しい仲間・新しい先生と一緒に、新学期がスタートします。

まだまだ昨年度の”最高のクラス”の余韻を感じている子どもたちは、

「去年は最高のクラスだったね!今年も最高の一年になるといいね!」

と期待に胸を膨らませているかもしれません。

 

ところが、新学期がスタートしてみると、新しいクラスは昨年ほどの充実感がありません。「先生が変わったから」「クラスのメンバーが変わったから」子どもたちは昨年と比べては、今年のクラスを物足りなく感じることでしょう。

 

新しい先生の指導に対しても、嫌悪感を抱くようになります。

  • 昨年の○○先生は、もっと面白かった
  • ○○先生は、休み時間にトランプしてOKだった
  • ○○先生の時みたいにしてほしい

 

それぞれの先生に指導方針があり、学級経営の仕方が違います。しかし、昨年の思い出が強すぎると、新しい先生の指導を受け入れにくくなってしまうのです。

先生と子どもとの信頼関係が築けなければ、適切な指導さえ通らなくなってしまいます。先生に反抗したり、学習の意欲が低下したりすれば、学級が荒れて、子どもたちの成長にも悪影響を及ぼすのです。

 

指導に困り果てた新担任が、旧担任の○○先生に相談した所

  • 私が昨年指導した時は、素直ないい子たちでしたよ
  • もう少し子どもの意見を取り入れたらどうですか?

なんて言われてしまったりして・・・

 

この状況ダメですよ!!

昨年度、最高のクラスの一員だった子どもたち。でも新学期には担任に反抗するように。

なぜ、こうなってしまったのでしょう。

どうすればよかったのでしょう。

 

それは、昨年度の学級じまいの仕方に、大きな問題があると考えます。

真に子どもたちの成長を願うなら、次年度への引継ぎを視野に入れた「学級じまい」をする必要があるのです!

 

 

次年度を視野に入れた「学級じまい」

学級じまいをする段階に話を戻します。

  • このクラスも残りわずかだから楽しさを優先させよう
  • クラスをいい思い出として完結させよう

このような考えで学級じまいをしてしまうと、自分が担任している間はよくても、次年度以降に子どもの成長に悪影響を及ぼすと自覚しましょう。

 

楽しさ優先はNG!

  • 体育の指導事項も順調に終わりそうだし、今日の体育はドッジボール大会をしよう!(準備運動の代わりに鬼ごっこをしよう!も同様です。)
  • 最後の思い出作りに、席替えも"好きな子同士"でOKにしよう!

学級じまいに、あるあるな例だと思います。自身が子どもの頃にも経験があるのではないでしょうか。

 

しかし、これらは楽しいが優先されていて、指導の意図があいまいです。

 

体育は指導事項が終わりそうなら、今までの復習や、発展技に挑戦した方が成長になります。準備運動も、その日の運動メニューに合わせて、適切に行う必要があります。

 

席替えでは、休み時間は自然と”好きな子同士”で集まるのだから、授業中は色々な子と関わって、対人スキルを磨くのがよいでしょう。まして、クラスが変われば、仲良し以外の子と話す機会は、二度とないかもしれないのです。最後まで子ども同士の交友関係を広げることに尽力するべきです。

 

「思い出に残る学級じまい」をしようと、今までの指導を緩めてはいけません。最後まで指導し続けることで、次年度に引き継いだ後にも、指導してきたことが生かされていくのです。

 

学級じまいで完結させない!

学級は一年で区切りです。しかし、子どもたちの人生にとっては通過点です。

子どもたちの人生はまだまだ続いていき、新しい出会いや挑戦が待っているのです。

 

「一年間よく頑張った!すごく成長したね!」

と学級を完結させる言葉を述べるのではなく

 

「新しいクラスでも、頑張りを継続してくれたら、嬉しいな!」

と、この先を見据えたエールを送ることの方が、子どもの成長に大切なのではないでしょうか。

 

完結させて満足させてしまうと、子どもは思い出を振り返るばかりで、成長できなくなってしまうかもしれません。

 

 

まとめ

  • 思い出づくりの「学級じまい」をすると、次年度以降に悪影響がでる
  • 最後まで指導をやり遂げる(最後に指導を緩めると、新担任が大変)
  • 子どもたちの成長を願って声掛けをする
  • 次年度を視野に入れた学級じまいを!

 

私は、大好きになったクラスの子どもたちに対して、「新しい担任の先生のことを好きになって、頑張ってくれていたら、先生も嬉しい」と伝えました。子どもとよい関係を築けたからこそ、子どもの心を引き留めたまま成長の足止めをするようなことをしたくなかったからです。

一年間の締めくくりをする頃、子どもたちと先生は深い絆で結ばれていると思います。その絆をほどき、新しい先生のもとへ向かわせることが、担任として最後にできる指導なのではないかと考えています。

是非、子どもが成長していけるように、学級じまいの仕方について検討してみてください!

 

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