『残念な保護者図鑑』その言動「残念」かも?理不尽はダメ!先生に配慮を!【クレーム対応/小学校/モンスター】
残念な保護者ってどんな人でしょう。
我が子を思うばかりに、また仕事や育児に追われ、学校に対して理不尽な「残念な保護者」になっていませんか?先生もひとりの人間です。先生への敬意をもつことで、結果的に子どものより良い成長に繋がると思うのです。
今回は、小学校の教員として勤務し、実際に見てきた「残念な保護者」を紹介したいと思います。
目次
「勤務時間に配慮なし」保護者
先生たちは仕事で学校にいます。
およそ8時~17時が勤務時間です。それ以外の時間はサービス残業です。
朝7時や夜6時に電話することは、先生たちにタダ働きを強いることになります。保護者の方も仕事があるのは分かりますが、教員も仕事で学校にいるのです。「無給で働く」ことの虚しさは、仕事をされている保護者の方にはよく分かると思います。勤務時間を配慮して頂けると、先生たちはすごく嬉しいです。
間違っても
- 学校からの連絡に「今仕事中なのに!」と思ったり(先生も仕事中です)
- 職員室の人影を見て、「職員室にいるなら対応してよ!」と思ったり
しないでください。土日に職員室のベルを鳴らす方がいてビックリします。急用なのは分かりますが、なんのために先生が学校にいるのか考えて下さい。業務が終わらなくて、休みを潰して無給で仕事をしに来ているのです。さらに仕事をさせようだなんて非常識にも程があります。夜中に家のベルを鳴らすより、たちが悪いです。
「子どもに先生の悪口を言う」保護者
「○○先生って頼りなさそうだよね」「あの先生は頭が悪いね」
そんなことを、つい子どもに言ってしまう保護者。
それ、全部子どもから先生に伝わっています。
「ママが、先生の事『はずれ』って言ってたよ!」と子どもに直接言われて面食らったことがあります。その保護者が教員だったのでさらにビックリしました。同業なのに・・・自分にどんだけ自信あるねん?
懇談会で「お世話になってます」と言われたところで、先生から信頼されるわけがありません。親が先生に嫌われたことで、我が子に不利益があるかもしれません。
私は「子どもに非はない」と思い平等な指導を心掛けつつも、ふと脳裏に浮かんでしまうことはありました。その子には、「人の悪口は言わないよ。伝えてもいけないよ。相手が悲しむし、誰も嬉しくないからね」と指導しておきました。
また、子どもが「○○先生きらい!」と訴えてきた時も、一緒になって「そうだね。○○先生が悪い!」と言わないでください。
ママやパパも先生を悪く言うなら、先生が悪い!と子どもは自分の反省を棚にあげてしまいます。子どもは自分の都合の悪いことは言いません。ご自身も経験があると思います。「先生に嫌なところがあったんだね」と共感するに留めてください。先生は大人ですし、様々な状況があります。お子さんにも反省すべき点はあるかもしれません。
仮に先生が全面的に悪かったとしても、保護者が「悪い先生だね」と子どもに言ってしまったら、その後お子さんは「悪い先生」の指導を素直に聞けるでしょうか。
お子さんの、これからの成長をしっかりと考えた時、「子どもに先生の悪口を言う」ことは百害あって一利なしです。
「我が子の暴力を容認」保護者
「けんかで負けは許さない。相手を殴って泣かして来い!」
という方針の保護者が、実在して困ります。
話し合いで解決してこそ、人間の成長ではないでしょうか。保護者が、我が子の暴力を容認してしまうと、とんでもないトラブルに発展します。暴力はダメです。
積極的に暴力を容認しなくても
- いじめられるよりは、いじめる側になってほしい
- 自分の身を守る力を身に着けてほしい
という保護者の願いが、子どもを暴力的にすることが多くあります。
空手を習っていて、「場外で技を使うな」といくら言われたところで、子ども同士のけんかになれば空手を使わずにいられません。
カッとなった状態で、自制できる子などいません。相手に大けがさせても、我が子が無事ならいいですか?いつか、同じ考えの保護者の子どもに大けがさせられます。
暴力に頼る子どもを育てるのではなく、心を育ててほしいと思います。
「学校に求めすぎ」保護者
- 子どもたちが、公園でトラブルを起こした。学校で指導して。
- 同じクラスの○○くんの家に、学校から注意して
それ、家庭で解決してください。学校外のトラブルは学校外で解決するのが当然です。我が子の問題は保護者が第一に解決するのが当然です。誰かに注意したいなら、自分で直接連絡してください。
自分から言うと「角が立つ」からなんて、都合のいい話です。学校に解決してもらおうと甘えてはいけません。
- もっと部活指導を積極的にして!
- 運動会を半日じゃなくて一日開催にして!
というように、学校に頑張ってほしいと願う保護者の方は多いと思います。
でも仮に、「もっと高級なホテルに泊まりたい!」「1泊じゃなくて2泊がいい!」と願ったとしたら、追加料金が掛かると思います。
本来お金が発生すべき「願い」を、「子どものため!」なんて声高に、無料で求めすぎてはいけません。「求めすぎ」はダメです。何かを求めるなら、相応の追加料金を払う覚悟をもってください。
「子どもの話を鵜呑み」保護者
子どもは嘘をつきます。ご自分も、家族に様々な嘘や都合のいい言い訳をしてきたと思います。
それなのに、我が子の言うことを何でも鵜呑みにしてしまう保護者がとても多いです。
「子どもと先生の話が違う!」
と怒って電話してくる保護者がいますが、99%子どもが嘘をついているだけです。
「先生が贔屓している。僕だけ悪者にされる。先生に嫌われている。」と家で訴える子ども。
子どもが悪さをしているだけです。教員は贔屓にとても気を付けています。子どもが悪さをしているから指導しているだけです。子どもの話を鵜呑みにしていては、子どもの成長はありません。「辛かったね」と共感した後は、「あなたは悪いところはなかったの?」と尋ねてあげてください。
「我が子が嘘をつくなんて信じられない!」という気持ちは分かります。でも、嘘はあります。私も我が子の話に気を付けて、しっかり話を聞いてあげたいと思います。
終わりに
いかがだったでしょうか。
「子どものためによかれ」と思ったことも、「残念」な言動になっているかもしれません。子どもの成長のために、色々な視点から考えることが大切だと思います。
学校や先生は、子どもたちの成長を願っています。ただし、お子様だけでなく、1クラスに30人もの子どもを抱えているため、お子様に不利益が生じる場合もあると思います。
しかし、全体を配慮しての学校運営であることにご理解いただき、ご協力いただけたら、教員は嬉しいです。
普通の企業なら、「お店とお客」「競合他社」は相反する目的ですが、学校教育では、「子どもの成長」という共通の目的を、学校も家庭も持っています。
是非協力し合いながら、お子様のよりよい成長に繋げていけたらと思います。
↓『残念な教員図鑑』です。よろしければご覧ください。