『授業力』向上!分かりやすく&面白くする改善点!教材研究の仕方/授業づくり
授業を、分かりやすく、面白くしたい!
そんな先生方の熱意は素晴らしいと思います!
授業がうまい先生は、子どもを成長させ、子どもの可能性を広げることができます。教員は多忙を極めますが、それでもなお、「授業力を高めたい」と願う先生方に、少しでも参考にしていただければ幸いです。
教科書を最大限に生かす!
まず、授業力を高めるためには、教科書を最大限に活用することを念頭に置くといいと思います。なぜなら、各分野の専門家が何人も集まって知恵を出し合って教科書が作られているからです。
一人の教員が、授業展開や発問を考えるよりも、大人数のエキスパートによって遥かに練られた指導計画が、教科書に載っているのです。
たしかに、担任として子どもたちの実態を把握し、これまで授業を行ってきた経験もあります。しかし、教科書が出来上がる過程を想像し、教科書にリスペクトをもつことは大切です。発問の仕方、順番、使われている数字など、どれをとっても検討が重ねられ深い意味が込められているのです。
教材研究をすればするほど、教科書の奥深さを実感すると思います。安易に発問の仕方を変えたり、数字を置き換えたりすることは厳禁です。教科書を最大限に活用することをおすすめします!
「教科書を教える」と「教科書で教える」の二つは比べられることも多いですね。目指すべきは、教科書「で」教えることです。
教科書を音読するだけの先生ではなく、教科書の一文に注目させて発問するような、子どもの学習を深める指導を目指していただきたいです!
教材研究の仕方
教材研究の仕方としても、これまで述べたように、教科書を活用することを念頭に置くといいと思います。
何を指導するのかを理解する。
指導書(教員用の朱書き)をよく読んで、何を指導するかを理解します。それぞれの授業に学習のねらいがあるので、ねらいの達成を目指して指導できるようにします。
前後の学習との繋がりを確認する
「前に○○の勉強で習ったことに関係しているけど、何か分かる?」と子どもに尋ねたり、今後の学習で必要になることを重点的に意識させたりすることができます。学習の系統性を頭に入れておくことで、質の高い授業になるはずです。
他教科との関連を確認する
教科横断的な学習という言葉もあります。教科をまたいだ関連も意識しておくことで、子どもの理解を深めることができます。例えば、算数と理科は関連が深く、「重さ」「速さ」などは教科をまたいで振り返ることができます。
また、国語の授業において、「この作者は○○県出身だよ。○○県はどんな特徴があった?」「ごみ問題は社会でも勉強したね」など、振り返りをすることも考えられます。
先輩や、書籍を参考にする
教材研究においても、専門家や先人の知恵を借りることは大切です。自分一人で考えるより、素敵なアイデアがたくさん見つかるはずです。時短にもなります。温故知新の精神を大切にして、どんどん知識を吸収し、自分の力にしていきましょう!
授業づくりの仕方
教材研究が済めば、指導事項と学級の子どもの実態を照らし合わせて、授業を計画していきます。
「授業のめあて」を明確にする
「授業のめあて」を明確にして、授業を組み立てます。「めあて」を達成させるための活動や発問を準備しましょう。授業の最後には「めあて」について振り返りの時間を取るといいと思います。
クイズをつくる
子どもはクイズが大好きです!クイズ形式で子どもたちに尋ねることで、興味を引くことができます。本当に子どもの反応がいいですし、どの子も主体的に考える時間になります。
教科書の言葉に関してでもいいですし、先生が調べた雑学でもいいです。先生の勉強(教材研究、知識アップ)にもなります。
主体的な活動を組み込む
「聞く」「読む(黙読)」など、子どもが受動的な学習だけでは、学力の定着は難しいです。「対話」「音読」「書く」「グループ活動」「問題を解く」など、子どもたちが主体的に活動する時間を設けることは大切です。
振り返りで、「分かったことを自分の言葉でまとめさせる」などは、学習の定着に大きく貢献すると思います。また、実験などのグループ活動も、学力低位の子や学習意欲の低い子も巻き込んで、みんなで楽しく学習することができます。
しかし、主体的な活動にはデメリットがあります。
- 全体の統率が取りにくくなる
- 騒がしくなり、学習に集中できない子が出る
- 実験が失敗したグループは意欲をなくし、学習の定着も悪くなる
- 時間が掛かる
先生が話をするのと比べ、主体的な活動では、子どもの作業スピードの差が大きくなります。個別指導が必要な子もいると思うので、全体の統率が難しくなります。優秀な子に「ミニ先生」としてサポートしてもらうなど工夫が必要です。
また、グループ活動がうまくいかなかったことで、学習意欲をなくしたり、「結局、答えは何だったんだろう?」と学力定着に悪影響が及ぶ場合もあります。難しい実験では、先生がサポートしつつ、黒板の前で代表の子だけ実験するという方法もいいかもしれません。
主体的な活動は大切ですし、子どもも楽しく学習できますが、かえって学習の定着を妨げる可能性もあることを理解して、実践においては慎重に検討することが必要です。
「楽しい活動になりそうだ!」と思い付いても、学級の実態によって、実践しない方がいいこともあるんだなというのは、私の経験談です。
研究会・勉強会に参加する
同じ志をもった先生方が集まる、研究会や勉強会に参加することは「授業力を向上させる」ことに大いに役立つと思います。
勉強になることがたくさんありますし、閉鎖的な人間関係になりがちな教員にとって、他の学校の先生と交流できる機会になります。「授業を頑張りたい」という熱意をもった素敵な先生に出会うことができ、いい刺激になると思います。
ただし、時間をかなり取られることを覚悟しなければなりません。通常の勤務ですらブラックすぎる教員にとって、自ら学ぶ時間を設けることは、自分の首を絞めることになるのです。
私が参加した勉強会は、
- 平日の授業後に勉強会・・・年5回
- その準備(個人で勉強、資料作り)
- 自分の学級で、研究したことの実践・・・年2回
- 他のグループを交えたグループ発表・・・年1回
- グループ発表の準備(検討会、資料作り)
などの活動がありました。ざっくり、年間80時間はかかったと思います。
ただでさえブラック労働のところに、土日や平日の授業後を潰しての活動だったので、年間を通して自由時間がほとんどなくなってしまいました。
それでも授業力向上のために頑張りたいという先生は、是非、参加してみてください。とてもいい勉強になることは間違いありません!
終わりに
教員にとって授業力は欠かせません。しかし、多忙すぎるため、授業力を磨く時間がないのが現状です。それでも自己研鑽しようと努める先生方には頭が下がります。無理はしすぎず、よりよい授業を目指して頑張っていただきたいです。
100%の授業を求めてしまうと大変すぎるので、60~80%の完成度の授業づくりを目指し、継続的に続けていくことが授業力向上の道ではないかと思います。
上でも述べておりますが、教科書を参考にしたり、先輩や、書籍を参考にするなど、周りにあるものを有効活用するのはとても大切だと考えています。先人の知恵をフル活用して、授業力を高めていってください!(時短にもなります!)
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