【教員ブラックな話②】『教員の働き方』の実態!「教員ならではの大変さ」編!!ブラックに侵された教員の思考【働き方改革】
どの職業も大変で、ブラック企業で奮闘している方もたくさんいると思います。
それでも教員の働き方は、ブラック中のブラックだと確信しています。休憩なし&残業100時間超(時給換算80円)が『当たり前』という労働条件だけでも、その漆黒さが伺えます。
さらに、
- 複雑化する子どもへの指導
- 理不尽な保護者対応
- 新たな教育内容の増加
など、職務自体も簡単でありません。
今回は、「教員ならではの大変さ」という視点で、教員の実態を書いていきます。
また、ブラックな環境に染まり、世間とズレてしまっている、教員の思考も紹介します!
前回記事も是非ご覧ください!
sensei-no-hatarakikata.hatenablog.com
教員ならではの大変さ
「教員がブラックだ」と考えられる事項をまとめます。
- 複雑な事情を抱えた子どもが多く、指導が困難
- 発達障害をもつ子どもが多い。【平成25年の調査で6.5%とされているが、30人学級に5人以上在籍も珍しくない(16.7%)。パラリンピックで「We The 15」があった通り、6人に1人、15%は発達障害児という感覚】
- 学級の子どもの人数が多すぎる。「スパン・オブ・コントロール」の考え方では、上司が直接管理できる部下の人数は10名前後と言われている。教師⇒学級は、その3倍
- 保護者の要求が理不尽
- 「公務員だから」という理由で世間の目が厳しい。
- 教科指導に苦労する。小学校では、ほぼ全教科を担任が指導する。1つの授業を反省しても、次に同じ授業内容で反省が生かされるのは数年後。中学高校だと、すぐに他学級で反省した所を改善できるのは良いところだと思います。
- 公務分掌(行事の準備や校内の雑務)に苦労する
- サービス残業が多すぎる
- 休憩時間がない(休憩が潰れても残業時間にすら記録されない)
- 学校外との交流が少なく、閉鎖的な職場環境になりやすい。
人手は足りず、先生一人で処理できる業務量を超えています。だから多くの先生方が長時間サービス残業を強いられています。助けを求めようにも、周りも一様に過酷な状況であり、各々の先生が、一人で抱え込むしかない現状です。
ブラックに侵された教員の思考
教員時代、相当しんどかったです。土日も仕事をしないと、平日が回らないので、十分に気力を回復することもできませんでした。
それでも何とか教員を続けていると、ブラックな環境に、頭の中さえも浸っていきます。
「教員は休憩時間がないけど、職員室でお菓子が食べれるのが休憩の代わりだ」
というようなことを真面目に考えていました。
ある日、民間勤めの友人に、教員のブラックさを労ってもらった際、
「休憩ないけど、教員はお菓子食べれるからね。まだマシだよ。」と大真面目に答えたところ、
「民間でも、勤務時間中にお菓子ぐらい食べれるけど」
と言われ、ようやく我に返りました。
甘い物食べたり、コーヒー飲んだりして気分転換しながら仕事する。ごく普通のことを心の底から有難がっていました。
「教員は残業が多いけど、教員同士で談笑する時間が長いからだ」という意見を聞いたことがあります。世間を知らない教員時代の私は、「それもあるかも」と真に受けていました。
件の友人曰く、「民間でも談笑する時間くらいある」とのことでした。
教員として働いていると、世間とズレた感覚に陥りやすくなります。多忙な勤務、閉鎖された空間、大人相手と子ども相手の違いなど、理由は多々あります。
でも、一番の原因は、「ブラックな環境で長時間働き続けていること」だと思います。
思考力が低下し、考えることすら放棄して、毎日を何とか生きていく。やがて、自己犠牲的な考えが定着し、立派な「いい先生」(社畜先生)が完成します。
世間的な考え方からズレた「いい先生」は、自分の時間を削り、無給で働き続けます。「いい先生」は、国からも保護者からも求められています。
洗脳じゃないかなと、今なら考えます。
社畜教員の思考語録
職員室でのお菓子&雑談以外にも、教員ゆえに世間とズレた思考が数多くありました。
- 朝が早いから通勤ラッシュないじゃん!(残業代なし)
- 夜も遅いから帰宅ラッシュないじゃん!(残業代なし)
- 子どもと話すのは仕事に含めていいのかな?(民間も商談だけの会話じゃないですよね)
- 給食の時間は絶好の作業時間だ!(休憩時間カット)
- 子どもが帰ってからの方が丸付けが捗るな!(サービス残業中)
- 今日一日トイレに行ってなかったな
- 保護者の電話の希望が19時?まだ学校にいるから良し!
- 部活指導は気分転換になるな(現実逃避)
- 休憩したら帰りが遅くなるだけ!(14時間連続勤務)
- 今日は早く帰れたな(サービス残業3時間)
- 休日に仕事をすれば平日早く帰れるな!(4時間残業・12時間勤務×5)
- 出張で直帰すると明日以降の残業が終われない。学校に戻って今日分の残業をしよう。
- 金曜日の夜は、明日授業がないから限界まで残業できるな!
- ちょっと夜ご飯食べてきます。また戻ります。
- 土日のうちに仕事をしておこう
- 祝日を利用して仕事をしておこう
- 長期休暇中に仕事しておこう
- 有休を取ったけど、仕事をしよう
- 土日どっちかは休みたいな~
- これで今週の授業も安心だな!(日曜の就寝前)
先生方には、共感して頂ける「先生あるある」もあったかと思います。
教員でない皆さんにも、実態を知っていただけたら嬉しいです。
まとめ
最低賃金、過労死ラインなどが全く考慮されない教員の働き方はブラックです。
ブラックな環境下で働いていると社畜的思考が定着してしまいます。
現状の働き方にも泣き言を漏らさず、『子どものために』という思いで励んでいる先生方もたくさんいます。「子どものためなら苦でない」と言う先生もいます。
でも、そうした先生たちも、業務の負担が軽減されたり、適切な残業代が出たりすれば、私生活も充実し、より健康的で経験豊かな先生として、子どもと向き合えるようになると思います。『子どものために、時間の限り仕事をしたい』先生も、自分が本当にやりたい仕事に時間を掛けられるようになります。
「教員の世界ではブラックが当たり前」と諦観することなく、子どものためにも、自身のためにも、教員の働き方に疑問を持ち続けてほしいと思います。
でも、第一に、現職の先生方、本当にお疲れ様です!!!!