先生の働き方改革!新卒~若手ブラック教員生活【時短アイデア&転職体験記】

教員の働き方が変わってほしい。苦しむ先生方の気持ちが、少しでも軽くなってほしい。 【教員の大変さ】【時短&若手教員向けの指導アイデア】【教員からの転職】について発信しています。

「低学年」と「高学年」の違い!指導が難しいのは?小学校/学級経営

子どもたちを指導するうえで「低学年」「高学年」の違いは何でしょう。

同一人物を見ても、年齢によって能力や考え方が違うことが当たり前です。「低学年」「高学年」の違いについて把握し、学級経営に生かしていただければと思います。

小学校の先生にとって、どちらが「指導しやすいか」も考えます!

 

低学年の特徴

低学年の児童の特徴です。

無条件に先生のことが好き

保育園、幼稚園を「先生大好き!」で育ってきた低学年の児童は、小学校の先生のことも無条件で好きになります。「先生=優しくて偉い人」という式が成り立っています。

先生が「もう、邪魔!あっち行ってなさい!」と思うぐらいに、休み時間中も先生の周りに寄ってきます。

 

子どもたちの能力差が少ない

どの子も、能力や考え方が未熟なため、学級内の能力差が少ないです。もちろん賢い子や、全然できない子は存在しますが、まだまだフォローが間に合う時期です。

みんなが能力が低い状態なので、発達障害がある児童も、あまり目立つことなく生活できます。

 

自分に自信がある

将来はプロ野球選手になりたい!というようなことを、どの子も本気で考えている時期です。「大人になったら理想の自分になるぞ」という自信をもっています。どの子も前向きです。

 

大人に従う

両親や先生のことが大好きなこともあり、基本的に大人の言うことに従います。まだまだ未熟な低学年の児童は、大人が正しいと思い込んでいます。

 

 

先生からしてみると、低学年の児童は、可愛くて仕方がありません。とくに、「無条件で先生のことを好きになってくれる」という特徴は最高でした(1年生担任経験談)。教員側もやる気が出ますし、指導が通りやすいです。

 

高学年の特徴

先生の人間性を見極めて「好き嫌い」を決める

高学年になると、先生の人間性を見極めて、自分の物差し「好き嫌い」を判断していきます。成長してきている証ですが、「好き嫌い」の判断基準が合理的とは限らず、厄介になるときもあります。(「オバサン先生は生理的に無理~」など)

 

子どもたちの能力差が広がっている

低学年に比べて能力差が広がっています。才能、努力、環境によって、どんどん能力差が広がっていきます。

 

自分に自信がない子が増える

成長するにつれて、自分の身の丈を知るようになります。失敗を経験したり、周りと比べたりして自信を失った子が増えます。

 

簡単に大人に従わない

成長の証として、自立心反抗心も芽生えます。自分で善悪の判断をできるようになってきて、大人の言うことに「何でも素直に従う」ということがなります。

 

 

先生からしてみると、子どもたちの能力差が広がったことを筆頭に、一人一人への対応が複雑になったと言えます。一筋縄ではいかず、子どもの信頼を得られるかは、教員の腕の見せ所です。

 

指導が難しいのは?

「低学年」と「高学年」で、それぞれ指導の難しさはあります。それでも、どちらが指導しやすいかを比べると、「低学年」の方が圧倒的に指導しやすいと思います。

  • 先生のことを好きになりやすい
  • 能力差が少ない
  • 自信がある子が多い
  • 大人に従いやすい

まず、上述した通り、低学年は高学年よりも指導しやすい点があります。

「先生が好き」であれば、指導をよく聞きます。

「能力差が少なく」「自信があれば」授業も進めやすいです。

そもそも「大人に従いやすく」、いざとなったら「こらー!!」と叱ったり、腕を掴んで座らせるなど実力行使をしたりして、従わせることができます。

 

反対に高学年になると、「先生を嫌いな子」がいたり、「能力」や「自信」の有無を配慮しなければならなかったりと、教員の負担が増えます。

「こらーー!」と叱っただけでは、余計に子どもの信頼を損ない、学級崩壊に向かう可能性もあります。体が発達した高学年児童は、無理やり押さえつけることもできません。

  • 子どもの信頼獲得が困難
  • 「能力差」「自信の差」に配慮
  • 指導の仕方に工夫が必要

という点で、高学年の指導の方が難しいです。

もちろん、「日本語が通じない」「細かい指導が必要」「トイレの指導」など、低学年特有の難しさはあります。

しかし、それらを凌駕するような『高学年の先生の大変さ』を紹介したいと思います。

 

高学年の先生の大変さ

学習事項が多い

高学年になると、教科が増えるだけでなく、学習事項そのものが増えます。

低学年であれば、低位の子を手厚くフォローしながら授業を進めることができても、高学年では低位の子を置き去りにして進めなければならない場面が多々あります。

そもそも、学力低位の子は「学習の積み残し」が多く、授業中だけではフォローしきれません。(九九ができない子に高学年の算数は分かりません。)

 

今までの先生と比べられる

「○○先生のときは良かったな~」と子どもにも保護者にも比べられます。低学年の先生であれば、比較対象が少ないため、「小学校の先生はこんなもんだ」と納得されやすいです。

 

先生に反抗する子

もし先生の人間性指導力が十分であったとしても、「先生」という存在に反抗する子どももいます。大人の階段を上っているのは理解できますが、先生からしてみると辛いです。

 

人間関係が複雑化

これまでの学年での「けんか」「いじめ」を引きずっていたり、新たなトラブルが生まれたり、陰湿な行動をするようになったり、子ども同士の人間関係が複雑化します。低学年のような「ごめんね。いいよ。」の仲直りも成立しません。教員も難しい立ち位置を迫られます。

 

宿泊学習

野外学習、修学旅行などの宿泊学習は、計り知れない苦労があります。

 

部活動、委員会の指導

部活動や委員会など、高学年ならではの活動が始まります。それに伴って学級以外のトラブルや指導も増えます。

低学年の先生も指導に加わると思いますが、高学年の担任という立場上、メインで指導することが多くなります。

 

異学年交流の指導

低学年と高学年が一緒に活動する「異学年交流」の際にも、高学年の担任という立場上、メインで指導することが多くなります。

高学年が低学年の児童をリードできるように、事前指導にも苦労があります。その点、低学年の先生は、高学年のリードを待っていればOKです。

 

行事の準備、活躍

高学年になると、児童が行事の準備をすることが増えます。運動会や卒業式の準備では、高学年先生たちに「児童を指導する」という余計な負担が増えます。

また、行事の本番には「学校の顔」として、完成度の高い演技が求められます。低学年は最低限「可愛らしさ」があればOKです。

 

卒業文集の制作

6年生では卒業文集の指導もあります。授業後まで添削に追われる苦行です。

 

中学受験

中学受験に関する大変さもあります。授業や宿題、通知表の成績など、保護者からの問い合わせが困難を極めます。また、「受験校へ推薦状を書く」という業務も負担します。学級全体に関係ないことに、なぜ時間を取られなければならないのでしょう。

 

終わりに

低学年と高学年の違い、高学年指導の大変さについて でした。

「低学年の指導の方が大変!」という意見もあるかと思いますが、低学年の先生の方が早く帰れることを考えても、高学年の先生の負担が大きいことが分かります。

どの学年も指導は難しいですが、先生の負担がより大きいのは、高学年の指導です。

 

しかし、低学年の先生の丁寧な指導のおかげで、子どもたちが高学年になった時に良い影響が出るという事実は見逃せません。

低学年指導を、𠮟り飛ばしたり、無理矢理押さえつけたりすると、高学年で余計に子どもが反発します。

低学年で丁寧に指導されてきた子は、「先生」という存在に敬意をもって成長し、高学年の先生にも心を開きやすくなります。

 

そうした点で、低学年の先生は、高学年の先生より責任重大と言えます。(高学年の先生は、最悪、今までの先生の指導のせいにできる…?)

低学年の瞬間だけでなく、子どもの成長を思い描いて指導してくれる素敵な先生が低学年の担任を務めてくださると、学校全体の大きな利益になります。高学年の先生の負担もずっと軽くなります。

 

高学年の指導の方が難しいと考えますが、指導の大切さという点では、どの学年も非常に重要であると考えます。是非、高学年の先生へは一層の「労いの気持ち」をもちつつ、どの学年の先生にも敬意をもって、過ごしていただけたらと思います。

 

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