先生の働き方改革!新卒~若手ブラック教員生活【時短アイデア&転職体験記】

教員の働き方が変わってほしい。苦しむ先生方の気持ちが、少しでも軽くなってほしい。 【教員の大変さ】【時短&若手教員向けの指導アイデア】【教員からの転職】について発信しています。

教員から転職!「教員は潰しがきかない」は本当か?

「教員ブラックすぎる…」「教員辛い…」「教員辞めたい…」 

頭に浮かび上がる『教からの転職』。そこで検索してみると「教員は潰しが効かない」「教員からの転職は難しい」という意見。でも、それって真実だと思いますか―??

教員を3年で退職した後、すぐに市役所の採用試験に合格した私の体験談と、合格までの道のりで分かった教員の市場価値についてお話ししたいと思います。「教員は潰しが効かない」は本当か?

 

なぜ、「教員は潰しが効かない」と言われるのか

往々にして、このような意見を耳にする機会がありますが、なぜでしょうか。その理由として挙げられているのが

  • 学校現場という特殊な環境で働いているため、世間を知らない。
  • 教員免許ぐらいしか資格がなく、専門的な知識も持っておらず、専門性がない。
  • 公務員と民間企業では働き方が大きく違うため、役に立たない。
  • 子どもの相手をしていた先生には、大人を相手にするスキルがない。

などです。他にも、「先生は横柄な態度が身に付いている」「それぞれ独自の学級経営をしていて協調性がない」「ビジネスの感覚が欠けている」といった理由も耳にしたことがあります。

だから、教員からの転職は難しく、転職するとしても、塾講師教材屋さんなど、教員免許を生かすことのできる僅かな選択肢しかないですよ、と主張されていることが多かったです。(人と話すことが得意な先生には営業職もおすすめ、とされることも多いですが、専門的な知識がなくても上手くいく可能性がある転職先として、とりあえず紹介されている程度のように思います。)

 

でも、私は教員の市場価値は決して低くなく、転職の可能性は無限大だと確信しています。

 

即戦力しか要らない小規模事業者には、こちらからお断り!人材を育成する風土のある企業にとって、「元教員」がブランドになる!

「教員は潰しが効かない」の理由の多くは、「転職して今すぐ戦力になるか」という基準で教員を捉えているものだと考えられます。確かに、現時点で資格もなければ、知識もスキルも不足しているかもしれません。しかし、そもそもどんな人が教員になるのかを考えてみると

  • 子どもの頃から学力、運動能力に長けている。(学校現場に良い思い出があり、教員になっている人は多いです。学校が嫌いだった人は先生に少ないです。)
  • 真面目に努力を積み重ねることができる。
  • 人と関わることが好き。自分の経験を伝えたいという面倒見のよさがある。
  • 責任感がある。堅実に物事を考えている。ルールを守る。

学校は社会の縮図と言われることも多いので、ぜひ、ご自身の小学校中学校のクラスメイトの顔を思い出してみてください。将来教員になったという人は、当時において、ある程度の能力の高さと、人柄のよさを持ち合わせている人ではないでしょうか。

世の中には様々な企業があると思いますが、教員になった人以上の能力や人柄を備えた人ばかりの企業がどれだけあるのでしょう。よい人材を獲得して育成するという風土のある企業からしてみると、教員からの転職者を採用するという選択は合理的で、十分にあり得ると思います。

さらに、「元教員」というのは新卒の就活生と比べて、年齢のブランクになるデメリットだけでなく、信頼と実績のブランドになります。

  • 教員採用試験に合格するだけの能力と人柄が保証されている。
  • ブラックな学校現場で働いてきて、新卒の学生より鍛えられている。
  • ある程度の残業や、理不尽なクレーム対応を経験している。
  • 指導者として一人で部下30人の管理を経験している。(担任としての業務)

「教員採用試験に合格するだけの能力と人柄が保証されている」というのは何よりのブランドとして生かすことができると思います。また、教員がブラックということが周知されつつある時代なので、元教員=労働基準法内で多少業務がきつくても大丈夫だろうと思ってもらえるのではないでしょうか。(ブラックな学校現場で働いてきたから、自社のブラックさにも慣れるだろう、とまで思われたら困りますが…)

さらに、最後の「指導者として一人で部下30人の管理」という経験は、他の職種では中々できない貴重な(過酷な)経験だと思います。教師と児童生徒、上司と部下では、もちろん違いはありますが、一般的には、上司が直接管理できる部下の人数は10名前後と言われています。スパン・オブ・コントロールの考え方とされ、経済産業省の『医療経営人材育成テキスト』でも、この考え方に触れて以下のような記述があります。

一人の管理職の下にいる部下の数は10名から15名がいいとされており、それを超えると、顔と名前が一致せず、一人の人間ではコントロールできなくなってしまう

つまり、一人の人間ではコントロールできない環境でも、無理矢理なんとかまとめようとしてきた学級経営の大変さ教員の大きな財産に値するのです。

教員からの転職を評価しない企業は、こちらからお断り。よき人材を育成する風土があり、元教員のブランドを十分に評価してくれる企業が必ずあるはずです。

 

元教員が市役所の採用試験を受け、合格までの道のりで分かったこと

教員の転職の可能性について述べてきましたが、私自身は、市役所の採用試験(事務職)を受けました。3月に退職して、4月下旬からの試験対策で8月中旬に合格を頂くという怒涛の4か月を送りました。そのことについては、また、別の記事でまとめたいと思います。

ですが、市役所の採用試験を通して分かったことは、元教員は市役所試験に合格できるし、新卒の大学生たちと競争して勝負できる部分はたくさんあるし、転職において十分な市場価値があるということです。

市役所の試験を例にしても、受験者のライバルの中には、とりあえず受験してみようという人もいるし、十分な時間があったとしても非効率的な勉強や対策で準備不足な人もいます。大学入試、教員採用試験と乗り越えて、過酷な学校現場で戦ってきた元教員が必死で取り組めば、採用を勝ち取れないわけがない!教員からでも転職はできます!

 

最後に

教員という働き方に心が折られ、「教員辛い」「教員辞めたい」とまで思った先生方は、きっと自分に自信も失っていることと思います。転職を考えても、その可能性すらもないのかと八方ふさがりの絶望感、私も味わいました。教員を続けて身体が壊れてしまいそうなら、転職に踏み切ってみるのはアリだと思います。

私は、教員として働いていて、辛くなった時に、「せっかく大学を出て教採も受かったのに簡単に辞められない」「教員を辞めて、これ以上の職業はあるのか」「教員を辞めて後悔しないのか」と、ひたすら負の感情で苦しみました。そのとき、転職について調べてみて、「どの職業も大変そうだ」「教員より待遇が悪くなるなら、教員を続けた方がいいのかな」と、結論が出たわけではないですが少し気持ちが楽になった経験があります。

教員が辛くて、心身ともに疲れきっていて、不安で心が苦しい時、一つの手段として、教員からの転職を調べてみることは大事なことだと思います。方向は定まっていなくても、とりあえずどこかに動き出すことは、今の状況を打開するためにとても大切なことだと思います。選択肢が増えて、「それでも教員を続ける」と思われた先生方、尊敬を込めて応援しています!先生のことを待っている子どもたちはたくさんいるはずです。

もし、教員からの転職を本気で検討されている方、教員からの転職はできます!自分自身を振り返って、「元教員」を力に変えて、ご自身の幸せを叶えてほしいと思います!

「あの野球が上手な芸人」ではないですが、「やれば、できる!!」です!