先生の働き方改革!新卒~若手ブラック教員生活【時短アイデア&転職体験記】

教員の働き方が変わってほしい。苦しむ先生方の気持ちが、少しでも軽くなってほしい。 【教員の大変さ】【時短&若手教員向けの指導アイデア】【教員からの転職】について発信しています。

【教員ブラックな話①】何が大変?本当にブラック?『教員の働き方』の実態!労働条件編!!「教員つらい」は甘えか【働き方改革】

長時間労働、部活指導の負担、理不尽な保護者対応など、「教員のブラック労働」が注目されるようになってきていると感じます。

 

教員がブラックと言われるほど激務らしい。

という認識が、世間に広がっていることを嬉しく感じつつも、

 

「ブラックなのは教員だけじゃない。民間はもっと大変」

「お前たちの給料は、我々の税金で(うんぬん)」

など、教員の働き方について、厳しい意見も見られます。

 

教員は、何が大変なのか。なぜ教員たちは「教員の働き方がブラックだ」と声を揃えるのか。

教員の働き方の実態をまとめていきます。

「本当に教員はブラックなの?」と疑問をもっている方にも、是非、読んでいただきたいです!

 

勤務時間について

私が小学校教諭として、実際に勤めていた経験を基準に書いていきます。多くの先生方が同様の労働条件であると認識しています。

 

①始業時刻は8:15

②終業時刻は16:45

③休憩時間が45分

よって、教員の勤務時間は8:15~16:45(休憩45分除く)7時間45分と定められています。

これが教員の勤務時間です。やや早めの始業時刻です。子どもたちが家を出る時刻と、保護者の出勤時刻の兼ね合いを考えると、教員の始業時刻が早い理由が分かります。

 

各家庭の生活に、学校側が適応させることが求められます。この考え方が、学校と各家庭(社会)との基本的な関係性です。

「9時までに出勤しなければならない」保護者の子どもを学校で受け入れるために、「8時までに出勤しなければならない」のが教員です。

「夜7時まで残業する」保護者と連絡を取るために、「夜7時過ぎまで残業する」のが教員です。

※『残業時間』については後でまとめます。

 

勤務時間のブラック

教員の勤務時間が分かりましたが、この労働条件で守られていない点があります。

  1. 子どもの登校時刻が8時になっている。(教員の始業時刻は8:15
  2. 部活動の子の下校時刻が17時半(教員の終業時刻は16:45
  3. 休憩時間がない

つまり、勤務時間に関しては、何も守られていません。

 

登校時刻に関して、全教員が始業時刻に学校に来ていれば、誰が子どもを受け入れるのでしょう。誰が子どもの面倒を見るのでしょう。始業時刻まで、校門の外で子どもを待たせていればよいのでしょうか。

 

私自身、「教員の始業時刻まで、子どもを登校させるべきではない」という意見です。しかし、子どもに、家の施錠を任せられず、子どもの登校時刻を待っていたら会社に遅刻してしまうという家庭があります。早くに家を出ている子どもを事件事故から守るために、教員の始業前勤務が改善されることはありませんでした。

今後も、子どもの登校時刻や、教員の始業前勤務が変わることはないでしょう。『 各家庭 > 学校 』の力関係だからです。

登校時刻が遅くなれば各家庭が困ると思います。その代わりに教員が一身に負担を背負っているのです。

 

部活動を担当している先生方は、終業時刻以降も子どもを指導しなければなりません。但し、部活動に関しては改善傾向にあると思います。「教員の部活動の負担」が大きく問題視されているからです。是非、先生方の負担が減っていくことを願います。

 

見落としされがちな事実として、教員は休憩時間がありません。残業が長い会社でも、昼の休憩時間は存在するのではないでしょうか。

教員は、自分の給食を5分で流し込んだら、給食指導や、丸付け作業に追われます。子どもたちの休み時間も、丸付けや授業準備に没頭します。子どもが登校している時間は、トイレに行く暇も無いほど、ノンストップで働き続けています。

なお、休憩時間を潰して働いていても、残業時間にすらカウントされません。1カ月で15時間程(45分×20日)無給労働があるのがデフォルトです。

 

残業のブラック

教員の所定勤務時間と、勤務の実態を比較すると以下の通りです。

教員の残業時間

教員の残業時間

●残業時間の計算

① 7:30~ 8:15(45分)

②12:00~12:45(45分)

③16:45~19:30(2時間45分)

合計:4時間15分(休憩が潰れても残業時間にカウントされないため、校内の記録上では3時間30分)

 

1カ月の勤務日が20日とすると、記録上は70時間の残業になります。

休憩が潰れた分を加算すると+15時間で85時間。

また、持ち帰り仕事として、土日には5時間程、翌週の授業準備をしていました。平日帰宅してからも30分程、翌日の授業の要点を確認していました。これらを加算すると、+30時間程です。

1カ月の合計は、115時間の残業と計算できました。

 

運動会、授業参観などの行事や、部活動指導、通知表作成などで、残業時間はさらに増えます。毎日「+1時間残業」という具合です。

 

私は平日7:30~19:30、土日5時間で耐えていましたが、朝6時から働く先生や、夜10時まで働く先生もいます。土日に学校に来て、じっくり仕事をする先生もいます。部活指導に膨大な時間を取られる先生や、自己研鑽として、授業力を高めるための研究会に参加する先生もいます。月200時間残業している先生方も少なくありません。

部活の長時間勤務は言わずもがな。研究会に参加すると、平均して月10時間程必要でした。

 

残業代について

教員の残業代は、一律で『給料の4%』と、決められています。

 

若手教員は、給料が20万程度です。その4%なので、月の残業代は8千円~1万円程です。

残業が100時間だとすると、残業中の時給は80円~100円です。

子どもが、「親の肩たたき」をする方が時給が高いかもしれません。

 

所定の勤務時間は月に160時間程です。その4%しか残業代が出ないということは、月に7時間程の残業を想定しているのでしょうか。残業の実態と残業代の均衡が全く取れていません。

 

こうした背景から、教員は定額働かせ放題」「公的ブラック企業とも言われるのでしょう。

100時間を超える残業が当たり前。長時間の残業代が出ないのが当たり前。教員はブラック中のブラックだと思います。

 

まとめ

  • 所定の勤務時間は完全無視
  • 月100時間残業は普通。月200時間超えも珍しくない。
  • どれだけ残業しても、ほぼ残業代は出ない(時給換算100円)
  • 定額働かせ放題

「時給100円で毎月100時間働いてね。」

と言われて労働契約を交わす人はいないと思います。多忙すぎる業務現行の仕組みで、その労働を半強制されているのが教員です。

 

「教員はサービス残業が多いらしい。」といったイメージから一歩進んで、『教員の働き方の実態』を理解していただけたら嬉しいです。

 

「教師のバトン」プロジェクトの反響や、残業代未払い訴訟など、教員の働き方が変わっていきそうな兆しがあります。是非、その勢いが加速していくことを願っています。

 

次回は、「教員ならではの大変さ」編です!

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